奥様の納骨に合わせて、先祖代々墓の建立をされました。お話を頂いたのがまだ雪の残る1月(画像参照)でしたので、4ヶ月をかけたお墓づくりとなりました。
計画としては標準の墓地区画に9寸角の墓石と霊標を建てるシンプルなものだったので、その中で、いかに良い雰囲気を出せるかがポイントでした。
まずは墓石下部に取り付けた換気口。あるとないのとでは、納骨室内の環境がまったく違います。換気口は湿気を逃がし、カビがはびこるのを防ぎます。また、夏場の高温対策としても有効です。
石材は中国産の中でも高級な黒龍石を使用しました。濃色系で非常に硬いため、艶持ちが長いのが特長です。濃色の墓石と反対色である白玉砂利を敷くことで、コントラストを効かせ、墓石の光沢を際立たせています。塔婆立ても黒龍石で作ったので(通常はステンレス製)存在感を示しています。
墓地づくりには洗練された厳かな雰囲気づくりが大切です。墓地全体の設計もさることながら、石材店として一見すると分からないけれど、よく見ないと分からないような細かい部分への心配りが欠かせません。
工事時期 平成23年4月
工事場所 兵庫県丹波市春日町
工事条件 寺院墓地
石種 黒龍石(中国黒龍江省)